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2021-03-17

Column175(3/17):バイオ製品の調達促進(オランダ)

Column112「バイオ製品の調達促進に関わる事例(EU)」Column124「バイオ製品の調達促進(米国)」では、EU及び米国において、バイオ由来製品・サービスの調達を促進する取組を紹介しました。

今回は、オランダにおけるバイオ由来製品の調達促進に関する取組を紹介します。

はじめに、オランダではColumn102「調達改善の主要機関(オランダ)」で紹介した「PIANOo」が、調達改善において重要な役割を果たしています。

PIANOoは経済・気候政策省(Ministry of Economic Affairs and Climate Policy)の政策執行機関であるNetherlands Enterprise Agencyの一部で、調達担当者のナレッジ共有や公的機関と民間企業の対話促進等を行っています。

PIANOoは、公的機関が調達し得るバイオ由来製品として、バイオ燃料やオフィスビル(断熱材、外装用パネル等)、ケータリング(コップ、パッケージ等)、クリーニング(洗剤)等があると、幅広く品目を例示しています。

また、PIANOoは、このようなバイオ由来製品を調達することで、調達時の価格は高くなる可能性があるものの、生物分解性のあるバイオ由来製品(配管やジオテキスタイル等)を調達する場合、廃棄物処理に関わるコストが発生しないため、ライフサイクルコストで考えると安価な調達になる等と、バイオ由来製品の調達の便益を説明しています。

加えて、潜在的には二酸化炭素の排出削減等にも寄与すると考えられています。

Column19「グリーン調達(1)(日本)」で紹介したように、日本でもグリーン調達が推進されています。

昨今のグリーン購入法の基本方針見直しでは、特定調達品目(特に重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類)として、新たに「プラスチック製ごみ袋」(植物を原料とするプラスチック又は再生プラスチックの使用に係る基準を設定)を加える等、日本でもバイオ由来製品の普及に向けた公共調達の活用が進められています。

今後、バイオ由来製品の更なる調達促進を目指すのであれば、特定調達品目を示すだけでなく、例えば、オランダのように、幅広いバイオ由来製品を例示してライフサイクルコストを評価する入札(価格競争や総合評価方式による競争)の可能性を示したり、米国連邦政府のように品目ごとの具体的な商品名や会社名等をリスト化し、各府省の取組を促したりする等、推進機関による今以上の工夫が必要ではないでしょうか。

(出典)
PIANOウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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