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2021-04-02

Column176(4/2):イノベーション調達(WFP)

Column70「イノベーション調達に関する通達(EU)」Column77「イノベーション調達に関する指針(EU)」では、イノベーションの促進に向けて公共調達を活用するEUの取組、また、Column129「イノベーション促進に向けた公共調達(14)(ドイツ)」では、ドイツにおけるイノベーション調達の取組を紹介しました。

今回は、国際機関のUnited Nations World Food Programme(WFP)におけるイノベーション支援事業を紹介します。

WFPは、2015年から、支援活動を新しいアイデアや技術で進化させることを目的として、スタートアップ等を対象とした「WFPイノベーション・アクセラレーター」(The WFP Innovation Accelerator)を実施しています。

年2〜3回、スタートアップ等からアイデアや技術を募集し、短期間のワークショップを開催した後、ピッチイベントが行われ、選抜されたスタートアップ等は10万米ドルの資金提供やWFPの支援活動現場での試験的な技術活用、各種専門家によるメンターシップ等が行われるとのことです。

実証実験後は、スケールアップに向けた更なる支援が行われ、WFP内外のスポンサーとマッチングすることが模索されるとしています。

これまでに紹介した米国やEU等に加えて、国際機関でもスタートアップ等から革新的なアイデアを募集し、現場で実証実験を行い、選抜されたアイデアや技術の本格導入という、所謂イノベーション調達に類似の取組が行われていることが分かります。

日本でも、Column126「イノベーション促進に向けた公共調達(13)(日本)」で紹介したように、イノベーション促進に向けて公共調達を活用する取組が進められています。

ただ、諸外国に比べて、日本の取組規模まだ小さいと思われ、有効な施策に進化させるためには、金額規模や参加府省庁・自治体の拡大や企業にとっての参加インセンティブの設計(Column170「イノベーション調達の事例(EU)」を参照)等、様々な点について更なる検討が必要だと思います。

(出典)
WFPウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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