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2016-10-12

Column14 (10/12):付帯的政策に関わる7つの成功要因(2)(米国)

Column12「付帯的政策に関わる評価(米国)」では、中小企業庁(Small Business Administration)が、中小企業の受注機会促進に関わる各府省の取組の達成状況を評価したSmall Business Procurement Scorecardsを公表していること、また、Small Business Procurement Scorecardsの6段階評価の結果を導くための要素として、「7つの成功要因」の評価結果が含まれていること等を紹介しました。

<7つの成功要因>
1.中小企業の活用に関する積極性
2.上級管理職の関与
3.中小企業の契約データの質
4.発注担当者のトレーニング
5.中小企業に対する働きかけ・支援
6.中小企業不適合型一括発注契約(bundling契約)の回避
7.小規模・条件不利事業者活用促進室(Office of Small and Disadvantaged Business Utilization)の取組

ここでは、この「7つの成功要因」の7番目、「小規模・条件不利事業者活用促進室(Office of Small and Disadvantaged Business Utilization)の取組」を紹介します。

小規模・条件不利事業者活用促進室は、Small Business Act 15(k)により、調達を行うすべての府省に設置することが求められています。

小規模・条件不利事業者活用促進室の役割を例示すると、以下のとおりです。

<小規模・条件不利事業者活用促進室の主な役割>
・各府省の長に、中小企業の受注機会促進に関わる取組等を直接報告すること
・契約のうち中小企業不適合型一括発注契約を特定し、発注担当者に対して、中小企業が元請けとなるよう調達戦略を変更するよう促したり、下請けとしての参加促進に向けた調整を行うこと
・契約金や支払い遅延金が円滑に支払われるよう、中小企業を支援すること
・各支所に中小企業の受注機会促進に関わるアドバイザー(フルタイム職員)を配置すること
・中小企業に発注していた業務を内製化した場合、その内容をレビューしアドバイスを行うこと /等

各府省の長への報告からColumn13「付帯的政策に関わる7つの成功要因(1)(米国)」で紹介した中小企業不適合型一括発注契約に関わる発注担当者との調整まで、内容は多岐にわたります。

日本でも、各府省会計課等に官公需相談窓口が設置されていますが、それは、あくまで、中小企業からの相談を受け付ける窓口であり、府省内の発注担当者へ中小企業の受注機会促進に関わる働きかけを行う組織が設置されている訳ではありません。ただ、経済産業大臣名で各府省長宛に「中小企業者に対する契約の方針」の推進体制を整備するよう依頼はされています。

一方、米国連邦政府では、小規模・条件不利事業者活用促進室という組織を法定し、発注担当者、中小企業等の各関係者に対して、より積極的な働きかけを行う制度となっている点が特徴です。ただし、米国連邦政府においても、Small Business Procurement Scorecardsの2015年度結果では、「7つの成功要因」のうち「小規模・条件不利事業者活用促進室の取組」は、最も低い0.92というスコアになっています。整備した制度の運用面での課題が存在するということでしょう。

(参考資料)
川澤、大野「公共調達における政策的配慮と経済性の確保-我が国及び米国連邦政府の取組等を基にした検討-」会計検査研究第54号(2016.9)

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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