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2021-02-11

Column173(2/11):パソコン調達のフレームワーク合意(英国)

Column42「上下水道のフレームワーク合意(英国)」Column93「上下水道のフレームワーク合意の事例(英国)」Column156「公共工事のフレームワーク合意(英国)」では、英国におけるフレームワーク合意の概要と事例について紹介しました。

今回は、同じく英国の国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Care Excellence。以下、NICEという)が、ラップトップとドッキングステーションの調達においてフレームワーク合意を活用した事例を紹介します。

はじめに、フレームワーク合意とは、「2006年の英国公共契約規則に規定された“長期指名候補者と事前合意制度”のことで、長期指名候補者(フレームワーク企業)を選定した上で、これら企業との間で一定期間内の個別発注(コールオフ)に関する受注者及び契約額の決定方法、契約条件等(フレームワーク)に予め同意する方式」です。

英国内閣府が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Crown Commercial Service(以下、CCSという)は、英国内の全ての公的機関が迅速かつ効率的な調達を行えるよう、様々なモノ・サービスのフレームワーク合意を締結しています。

NICEは、新型コロナウイルスによる働き方の変化(在宅勤務の実施等)や、ロンドンにあるオフィスの移転(NICEを含む5つのarm’s length bodies(※)でのオフィスの共有に伴う移転)に対応するため、大量のカメラ付きラップトップとドッキングステーションが必要となり、IT機器の調達に関わるフレームワーク合意(Technology Products & Associated Services、以下TePASという)を活用した、とのことです。

※arm’s length bodiesとは、政府から一定程度独立性を保持した公的機関です

NICEは、TePAS “lot2”のフレームワーク合意を締結している全企業に応札を呼びかけ、数多くの企業が応札した結果(価格のみでの評価)、Specialist Computer Centres社が受注した、と報告しています。

NICEはフレームワーク合意を活用することで、定価よりも250,000ポンド 安価に調達できたと共に、迅速な調達が可能になったと評価しています。

注目したい点は、新型コロナウイルスに対応するため、迅速性が求められる調達においても経済性や公正性等を確保するため、フレームワーク合意が活用されている点、また、公的機関でのオフィスの共有が進められている点です。

日本においてフレームワーク合意のような新たな発注方式を導入する場合、様々な論点はありますが、迅速かつ効率的な調達を実現するためには、フレームワーク合意のような発注方式の導入も検討に値するのではないでしょうか。

また、公的機関の働き方改革に伴うオフィスの共有と共同での調達による効率化も大いに期待される取組だと思います。

(出典)
Crown Commercial Serviceウェブサイト
国土技術政策総合研究所資料第908号「英国・米国における包括・個別二段階契約方式-フレームワーク合意方式(FA)と数量未確定契約方式(ID/IQ)-」

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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