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2019-11-15

Column147 (11/15):国及び自治体の電力調達(2)

Column114「国及び自治体の電力調達(日本)」では、国及び自治体で進められている電力調達の再生可能エネルギーへの転換について紹介しました。

今回は、東京都の電力調達の取組を紹介します。

東京都では、2019年度中に第一本庁舎の電力(都の3庁舎で使用する電力の約80%に相当)について再生可能エネルギー100%への転換が示され、2019年6月12日に電力の調達先を決める入札が行われました。

契約期間は約1年間です。

入札は価格のみの競争ではなく、価格と技術を総合的に評価する総合評価落札方式による競争でした。

競争の結果、落札額は6億3,200万円(税込、単価契約のため推定総額)と報告されています。

朝日新聞(2019年11月5日朝刊)によると、「日立造船が6億3千万円余で落札した。最も安い価格を入れた業者より2,000万円以上高かった。都の担当者は「同じ再エネでも大規模水力の評価を低く、地元のエネルギーの評価を高くするなどの工夫をしている」」とのことです。

地元からのエネルギー供給を重視し、評価点において地元エネルギーに関わる配点を高くする等、総合評価方式の配点において発注者の意図を明確にしたことで、意図に沿った調達ができたということでしょう。

ただ、もちろん短期的に見ればより安い価格で応札した事業者から調達すれば支出は抑制できたはずです。

調達における短期的な価格と長期的な価格(再生可能エネルギーへの転換という政策課題に公的機関として率先して取り組むことの重要性や、二酸化炭素排出量削減効果(見込み)を含むフルコストの観点)をどう捉えるか、個々の調達案件の知見を蓄積して、更に検討を深めていく必要があると思います。

(参考資料)
東京都ウェブサイト、朝日新聞(2019年11月5日朝刊)

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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