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2019-09-18

Column141 (09/18):共同調達の品目(その4)(日本)

Column100「共同調達の品目(その2)(英国)」では、九州地区の国立大学法人等(※)が、2018年8月から電力(高圧電力、低圧電力)の共同調達を開始したことを紹介しました。

※九州大学、佐賀大等の国立大学法人8校、北九州工業高等専門学校、久留米工業高等専門学校等の高等専門学校8校

今回はこの電力調達の削減効果について紹介します。

はじめに、九州地区の国立大学法人等の共同調達では、九州大学が取りまとめ役となり、一般競争入札による調達が行われました。

入札単位は高圧電力(54施設)、低圧電力(55施設)で、高圧電力の入札には8社、低圧電力の入札には5社が参加したとのことです。

入札の結果、九州地区全体で、高圧電力は年間1億6,800万円、低圧電力は700万円、合計で1億7,500億円の経費削減が見込まれています。

電力契約においては、電気を運ぶための費用(託送料金)は、同一電力管内で一定のため、立地条件等による配送コストの変動を勘案することなく、スケールメリットが働きやすいと考えられています。

中央省庁でも、電力調達については、電力の小売全面自由化を受けて、一般競争入札を原則とした競争性の改善や、共同調達の検討等が進められています。

その結果、2018年度上半期時点で、多くの電力調達で1割以上の経費削減が実現した、とのことです。

ただ、一方で、Column114「国及び自治体の電力調達(日本)」で紹介したように、電力の再生可能エネルギーへの転換という課題もあります。

国の機関としては、2018年5月、外務省が、本省及び在外公館の電力を再生可能エネルギー100%に転換する方針を示しました。

自治体を含めた日本全国の公的機関で、どのような電力調達が効率的・効果的か、再生可能エネルギーへの転換や共同調達による経費削減等、複数の観点から更に検討を深めていくことが求められているでしょう。

(出典)
内閣官房ウェブサイト、九州大学ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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