toggle
2019-08-29

Column138 (08/29):女性活躍推進に向けた公共調達の活用(7)(日本)

公共調達では、調達における公正性、厳正性及び経済性を確保することが求められています。さらに、このような、公正性・厳正性と経済性の調和を前提として、一定の政策目的を達成するための配慮を行うことも求められています。

様々な政策的目的を実現するために契約の場を活用すること、いわゆる「付帯的政策」の推進が求められているのです。

このような一定の政策目的を達成するために公共調達を活用する手法は、日本でどのような形で行われているのでしょうか?

Column6「女性活躍推進に向けた公共調達の活用(1)」では、この取組の一つである、女性活躍推進に向けた公共調達の取組を紹介しました。

調達における公正性・厳正性と経済性を確保しつつ、女性活躍推進に取り組む企業を入札で高く評価したり、発注先候補となる機会を増やすことで、企業の女性活躍推進を誘導する取組です。

今回は、この女性活躍推進に向けた公共調達の取組の2018年度実績を紹介します。

2018年度実績は以下の通りです。

・国:取組対象調達(約3兆7,600億円)のうち約 9,400 億円(25.1%)

・独立行政法人:取組対象調達(約1兆 1,400 億円)のうち約 3,900 億円(34.3%)

上記の実績は、国と独立行政法人において、価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式、企画競争方式)のうち、ワーク・ライフ・バランス等推進企業を評価する項目を設定した調達の規模です。

国で25.1%、独立行政法人で34.1%の総合評価方式等の調達において、ワーク・ライフ・バランス等推進企業を評価する項目が設定されています。

前年度の2017年度の国の取組を見ると、約4兆2,900億円のうち約 6,200 億円(14.5%)ですので、前年度に比べ、調達金額・割合ともに増加しています。

このような調達規模のフォローアップはもちろん重要ですが、更にフォローアップが必要な点もあるでしょう。

評価点全体に占めるワーク・ライフ・バランス等推進企業に係る加点の割合(どの程度、重視しているか?)や、ワーク・ライフ・バランス等推進企業の受注実績(結果として、どのような企業が受注しているか?)等です。

これらの点についても毎年度フォローアップし、調査結果を示していくことは取組の進捗を公表する上で重要ではないでしょうか。

(参考資料)
内閣府ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA