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2019-07-25

Column136 (07/25):調達改善の体制(英国)

英国では、Column25「調達政策における主導機関(英国)」で紹介したとおり、内閣府が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Crown Commercial Service(以下、「CCS」と略称)が、調達政策の主導的な役割を果たしています。

具体的には、中央政府や地方政府、それ以外の公的機関が共通して調達するモノ・サービスのフレームワーク契約に関わる調整や、中小企業の公共調達への参加促進等、各機関の調達改善に向けた様々なサポートをしています。

Column99「調達改善の取組実績(英国)」では、CCSの2017年度の取組実績を紹介しました。

今回は、CCSがどのような体制で調達改善に取り組んでいるか?

2018年度の年次報告書を基に、CCSの職員数等を紹介します。

CCSの2018年度の平均職員数(正規職員換算)はBoard Memberが7名、上級職員(Senior Civil Service)が19名、一般職員が634名(契約職員32名を含む)です。

男女比を見ると、Board Memberが男性6名、女性1名、上級職員が男性13名、女性6名、一般職員が男性270名、女性364名です。

2018年度には126名が一般職員として新規採用されており、Band1〜7の一般職員の資格のうち最も多いのがBand2の15名、次にBand3の14名、Band4の10名と続いています。

新規職員の男女比は、男性56名、女性70名です。

人件費については、Board Member、上級職員、一般職員を含む全体の人件費が36,843千ポンド(約50億円)と報告されています。

上級職員の給与額の分布を見ると、60,000〜70,000ポンド(約810〜940万円)が5名と最も多く、最高額(1名)は121,000〜130,000(約1,630〜1,750万円)です。

日本でも内閣官房の行政改革推進本部事務局が、国の調達改善の推進役となり、各府省庁の会計課で調達実務の改善が行われています。

しかし、英国では、国、地方、公的機関全体の調達改善を推進する組織として総勢660名を有するCCSが設置されています。

一概に比較はできませんが、公正取引委員会(平成31年度定員839名)と近しい数の職員が、英国の公的機関全体の調達改善を推進している状況です。

日本の調達改善の体制をそもそも見直すことも必要だと思いますが、それに加えて、日本の現在の体制でどのような改善手法が可能か?十分な検討が必要でしょう。

(出典)
CCSウェブサイト、内閣官房ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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