toggle
2019-07-02

Column134 (07/02):Acquisition Innovation Lab(2)(米国)

Column133「Acquisition Innovation Lab(1)(米国)」では、米国連邦政府の調達現場におけるイノベーション促進の文化を醸成するため、主要な24府省において取り組まれている“Acquisition Innovation Lab”を紹介しました。

この“Acquisition Innovation Lab”の取組の一環として、各府省は、具体的なITの個別案件を選定し、政府横断的なデジタル技術の専門家(USDSやGSAのITコンサルタント等)の支援を受け、調達の改善を目指す“Acquisition Innovation Lab Pilot”に取り組んでいます。

“Acquisition Innovation Lab Pilot”では、どのような個別案件を選定し、どのような体制で専門家からの支援を受けているのでしょうか?

今回は、“Acquisition Innovation Lab Pilot”の取組を紹介します。主な特徴は以下の通りです。

・“Acquisition Innovation Lab Pilot”に参加する府省は、首席情報責任者(Chief Information Officer、以下「CIO」という)と首席行政官(Chief Administrative Officer、以下「CAO」という)が取組にコミットすることに同意する基本合意書(MOU)にサインしなくてはならない。

・CIOとCAOは、省内に“Acquisition Innovation Lab Pilot”に関わるチームを組成しなくてはならない。チームのメンバーは一定の研修を受けた職員を含む組織横断的なメンバー(4〜5名等)で、理想的には“Acquisition Innovation Lab Pilot”の間(約6ヶ月)各者の工数の75%を充て、MOU締結後30日以内に召集されなくてはならない。

・“Acquisition Innovation Lab Pilot”の対象となる個別案件として、向こう3〜6ヶ月の間に調達される2件のIT案件を特定しなくてはならない。案件の特徴としては、以下の4点が挙げられています。

a)期待するソリューションがカスタムメイドのソフトウェア開発を含む可能性のあるもの

b)省庁において優先度の高い案件

c)市民が使用するシステム又は重要な職務を支援するシステム

d)システムの複雑性が低〜中程度のもの

・契約者の選定等の最終決定はあくまで各省庁の責任だが、政府横断的なデジタル技術の専門家が“Acquisition Innovation Lab Pilot”を主導し、他のパイロット案件にも関わることを許容しなくてはならない。

・“Acquisition Innovation Lab Pilot”の取組の結果(データや課題点等)を各府省と共有しなくてはならない。

日本でも内閣官房IT総合戦略室が核となり、政府全体におけるIT調達の改善が進められています。

ただ、“Acquisition Innovation Lab Pilot”のように、改善効果の高いと考えられる個別案件を具体的に抽出し、専門家主導の下、各府省の幹部や関係職員が集中的にコミットして(MOUで幹部のコミットを確約し)調達改善に取り組み、結果を各府省と共有するような仕組みも有効かもしれません。

(出典)
Office of Management and Budgetウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA