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2019-05-24

Column130 (05/24):クラウドサービスの調達(米国)

昨今、コスト削減や迅速なシステム整備等の観点からクラウドサービスの利用が増加しています。

我が国でも「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2017年5月30日閣議決定)等で、政府の情報システムを整備する際、クラウドサービスの利用を第一候補とする、とされています。

政府のクラウドサービスの利用に係る基本方針も定められました。

このような政府機関でのクラウドサービスの利用は諸外国でも進められているのでしょうか?

諸外国でもクラウドサービスの利用が進められています。

例えば、米国連邦政府では、2010年、行政管理予算局(Office of Management and Budget)が、ITマネジメントの改革として25の実行計画の一つにクラウドサービスの早期導入を掲げました。

その後も、クラウドサービスにおける調達の標準を定めたFedRAMPの策定等、様々な導入取組が進められています。

一方で、クラウドサービスの導入に関する会計検査や情報公開も行われています。

2012年、米国会計検査院は2010年以降に進められていたクラウドサービスの導入状況等を検査するため、IT予算額の大きい7府省庁を対象にクラウドサービスの利用状況や支出・コスト節約の状況、投資の状況について会計検査を行いました。

直近では、2019年4月に検査レポート“CLOUD COMPUTING:Agencies Have Increased Usage and Realized Benefits, but Cost and Savings Data Need to Be Better Tracked”が公表され、16府省のクラウドサービスの利用状況や支出・コスト節約状況等が検査されています。

検査の結果、16府省から報告されているクラウドサービスのコスト節約状況は過小評価である点等が指摘されています。

日本でも、会計検査院による検査や政府の情報システムの投資状況等が公表されています。

例えば、内閣官房が運営するITダッシュボードというサイトを見ると、我が国における情報システムの調達規模等(運用等経費で約4,000億円、整備経費等で約1,350億円)を直ぐに確認することができます。

今後、クラウドサービス等、新たな情報技術の活用は更に進んでいくものと思います。

我が国における政府の情報システムの改善取組や取組に対する検査、投資状況の公表はきちんと行われているか?継続して関心を持つことは重要でしょう。

(出典)
Government Accountability Officeウェブサイト、内閣官房ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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