Column120 (02/23):市場調査のチェックリスト(オランダ)
Column102「調達改善の主要機関(オランダ)」では、オランダの調達改善において重要な役割を果たしている「PIANOo」を紹介しました。
PIANOoは経済・気候政策省(Ministry of Economic Affairs and Climate Policy)の政策執行機関であるNetherlands Enterprise Agencyの一部です。
調達担当者のナレッジ共有等を目的として、PIANOoが公的機関と民間企業とのネットワーク(約3,500機関)を構築し、調達に関わる知見の蓄積、公的機関・民間企業の対話促進等を行っています。
調達に関わる知見のうち「市場に関わる知見」は、特に重視されています。
そこで、今回は「市場に関わる知見」についてのチェックリスト“Checklist for Market Knowledge in Public Procurement”の概要を紹介します。
チェックリストは以下の3つの点をチェックする構成になっています。
1.市場に関わる知識(market knowledge)
・マクロ経済要因:経済成長、価格トレンド、賃金や原材料等のコストのトレンド、マーケットシェア等
・メソ経済要因:特定セクターの(技術的な)発展、セクター内のトレンド及び重要な企業
2.製品に関わる知識(product knowledge)
・製品要因:価格・コスト構造、標準化の程度、配送頻度、環境配慮、持続可能性等
3.企業に関わる知識(business knowledge)
・マクロ経済要因:個々の企業の財務状況、サプライヤーの特徴(品質、CSR、イノベーションの水準等)
全ての調達対象について、上記1〜3の点を漏れなく調査することは費用対効果の観点から難しいと思います。
ただ、少なくとも、市場調査において、“市場”、“製品”、“企業”という軸を設定し、それぞれに関わる必要な情報を収集しているか?
このような観点で市場調査の結果をチェックし、可能な限り調査結果を充実化させる努力は必要ではないでしょうか。
(出典)
PIANOoウェブサイト
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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