toggle
2019-01-10

Column115 (01/10):最低価格方式を採用する条件(米国)

Column76「国防総省における情報システム等の調達」では、会計検査院(Government Accountability Office)が、国防総省(Department of Defense、以下「DOD」という)の最低価格方式での調達状況(lowest price technically acceptable)を検査したレポートを紹介しました。

今回は、最低価格方式を選択する際の要件を紹介します。

DODの調達において、最低価格方式を選択する際の要件は、2017年度国防授権法で定められています。主な内容は以下の通りです。

1)DODが、調達対象に求める最低限の技術要件を明確にしている。

2)事業者から最低限の技術要件を上回る提案を受けたとしても、DODにおいては全く若しくは殆ど価値が無い。

3)DODは、異なる方法を採用することで、更なる技術革新や将来の技術的な優位性を全く若しくは殆ど得ることがない。

4)提案された技術アプローチは、客観的に評価できる。

5)最低価格の提案者以外の技術提案は、ほぼ政府に何の便益も生じさせない。

6)最低価格方式を採用することの正当性が契約書に記載されている。

7)調達対象の大部分は消耗品であったり、耐用年数が短い製品である。

8)最低価格はオペレーションやサポートを含むライフサイクルコストを反映している。

我が国でモノやサービスを調達する際、原則は、最低価格落札方式で、技術と価格を評価する総合評価落札方式は例外です。

そのため、総合評価落札方式を選択する際には、その必要性を十分に検討していると思います。

ただ、逆に、本来であれば技術と価格を評価する総合評価落札方式に馴染む調達案件に、安易に最低価格落札方式が適用されている場面もあるかもしれません。

最低価格落札方式の案件についても、上記のようなDODの要件等を参考に、果たして最低価格落札方式が最善の選択か?改めて検討することも必要かもしれません。

(出典)
Government Accountability Officeウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA