Column114 (01/08):国及び自治体の電力調達(日本)
Column19「グリーン調達(1)」では、国等が率先して環境負荷低減に資する製品・サービスの調達(以下、「グリーン調達」という)を推進している状況を紹介しました。
今回は、国及び自治体で進められている電力調達の再生可能エネルギーへの転換について紹介します。
はじめに、国の機関としては、2018年5月、外務省が、本省及び在外公館の電力を再生可能エネルギー100%に転換する方針を示しました。
また、自治体では、例えば、世田谷区では、2019年4月から、区役所本庁舎の電力を再生可能エネルギー100%へ転換する方針が示されています。また、東京都でも、2019年度中に第一本庁舎の電力について再生可能エネルギー100%への転換が示されています。
いずれも、入札時に、再生可能エネルギー100%の電力供給が可能であることを条件にして、電力事業者を選定するとのことです。
ただ、世田谷区では(競争入札の結果次第であるものの)2017年度と比べて、約300〜1700万円の経費増が見込まれています。
このように、短期的には調達価格の上昇が予想されるものの、再生可能エネルギーへの転換という政策課題に公的機関として率先して取り組むことの重要性や、二酸化炭素排出量削減効果(見込み)を含むフルコストの観点から、短期的な調達価格の上昇をどう捉えるか?
外務省、世田谷区、東京都のいずれも、まずは隗より始めよということで、自ら再生可能エネルギーの100%調達に取り組むようですが、今後も、公的機関が政策課題の実現に向けて公共調達を活用する際の短期的な価格上昇をどう捉えるか、検討を深める様々な場面があるように思います。
(参考資料)
外務省ウェブサイト、世田谷区ウェブサイト、朝日新聞(2019年1月8日朝刊19面)
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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