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2018-12-14

Column111(12/14):イノベーション促進に向けた公共調達(12)(日本)

Column96「イノベーション促進に向けた公共調達(9)(日本)」では、市場には存在しない、または、市場の革新的な製品・サービスを公的機関が初期需要として調達することで、イノベーションを促進する取組、いわゆる「イノベーション調達」に類似する国の取組を紹介しました。

Column106「イノベーション促進に向けた公共調達(10)(日本)」では、地方公共団体の類似の取組として、神戸市「Urban Innovation KOBE」、さらに、つくば市「つくば公共サービス共創事業」も紹介しました。

今回は、つくば市のその後の取組を紹介します。

はじめに、「つくば公共サービス共創事業」は、行政課題の解決に向けて、民間では導入が進んでいるものの、公的機関では導入が進んでいない技術を活用して、つくば市と民間事業者等が新しい製品・サービスの共同研究をする事業です。

公的機関で導入が進んでいない技術を活用した新しい製品・サービスを直ぐに調達するのではなく、まずは、つくば市と民間事業者等が共同研究を実施し、その成果に応じて本格導入する際は、通常の入札等により調達するとのことです。

既に、つくば市では、「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化」(※)を対象とした共同研究が実施されました。

(※)RPAを活用することで、作業時間の短縮(効率化)やミスの少ない正確で的確な処理の実現が期待されています。

この共同研究の実施により、RPA推進のための課題(大量保管の紙書類のデジタル化)が明らかになり、この課題を解決するための実証実験を新たに実施し、2018年度末までに成果を取りまとめる、とのことです。

新たな技術を活用する際の課題解決のため、継続して実証実験を行うことは必要だと思いますが、実証実験の相手方は、過去に実施した共同研究の相手方と同一です。

共同研究から実証実験に至る継続性は重要ですが、今後の本格導入(実際の調達)の際の競争性・公正性を確保する、という意味では、実証実験についても公募を実施する等の検討は必要かもしれません。

RPAを活用した業務プロセスの自動化等は、複数の民間事業者が提供するサービスのため、その後の調達における競争性・公正性に不安はないのかもしれませんが、共同研究や実証実験の継続性と、その後の調達の競争性・公正性のバランスを常に意識することは重要だと思います。

(出典)
つくば市ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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