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2018-10-15

Column107 (10/15):イノベーション促進に向けた公共調達(11)(日本)

Column96「イノベーション促進に向けた公共調達(9)(日本)」では、市場には存在しない、または、市場の革新的な製品・サービスを公的機関が初期需要として調達することで、イノベーションを促進する取組、いわゆる「イノベーション調達」に類似する国の取組を紹介しました。

Column106「イノベーション促進に向けた公共調達(10)(日本)」では、地方公共団体の類似の取組として、神戸市「Urban Innovation KOBE」を紹介しました。

神戸市以外の地方公共団体でも、同様の取組は行われているのでしょうか?

今回は、つくば市「つくば公共サービス共創事業」を紹介します。

同事業は、行政課題の解決に向けて、民間では導入が進んでいるものの、公的機関では導入が進んでいない技術を活用して、民間事業者等と、新しい製品・サービスの共同研究をする事業です。

公的機関で導入が進んでいない技術を活用した新しい製品・サービスを直ぐに調達するのではなく、まずは共同研究を実施し、その成果に応じて本格導入する際は、通常の入札等により調達するとのことです。

神戸市の取組でも、初めは民間事業者等と協働で開発し、成果に応じて入札等により調達する仕組みでしたので、両市のプロセスは似ていると言えるでしょう。

また、つくば市では、共同研究者を公募・選定し、共同研究の経費のうち、市は市職員の事務費(人件費、消耗品費、旅費等)を負担し、相手方企業は技術等の適用経費等を負担する、とされています。

神戸市では、開発に際しての資金的な経費として最大50万円を支給することになっていましたので、経費負担については少し異なるようです。

つくば市で、これまでに公募されたテーマは「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化」等です。

RPAを活用することで、作業時間の短縮(効率化)やミスの少ない正確で的確な処理の実現が期待されています。

神戸市に加えて、つくば市でも取り組まれている、いわゆるイノベーション調達に類似した取組、果たして実際に公的機関の業務改善が達成されるとともに、イノベーションも促進されるという、win-winの関係が成立するのか?、引き続き、注目したいと思います。

(出典)
つくば市ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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