Column88 (3/23):スウェーデンの公共調達
今回は、スウェーデンの公共調達の状況を紹介します。
スウェーデン(中央政府、地方自治体全体)の公共調達の規模は、2014年6,340億SEK(約80,860億円)、2015年6,420億SEK(約81,830億円)と約8兆円程度で推移しています。
これは、スウェーデンのGDP(付加価値税を除く)の約20%を占めていると言われています。
財務省「契約に関する統計」(2016年度)を見ると、日本の国の支出の原因となる契約(少額随意契約等を除く)の金額は84,291億円ですので、概ね日本の国の行政機関とスウェーデンの中央政府、地方自治体全体の調達規模は同程度と言えるでしょう。
ここまでは前提情報ですが、注目したいのは「契約方法」です。
近年、フレームワーク合意の活用が増加していると指摘されています。
具体的には、全契約に占めるフレームワーク合意の割合が、2009年の約7%から、2016年は39%超まで増加した、とのことです。
2016年のスウェーデンの調達機関(1,300機関)のなかで最も多くを占める機関がコミューン(概ね日本の市町村に該当する基礎自治体)である一方、フレームワーク合意を活用した契約の約40%は、県域自治体(County council)とのことですので、相対的に発注規模・件数が多い機関が、フレームワーク合意を活用しているのではないかと思います(県域自治体が主体となって行うフレームワーク合意に、コミューンも参加しているかどうかは定かではありません)。
これまで、Column86「クラウドサービスに関するフレームワーク合意(英国)」等で、英国のフレームワーク合意について取り上げてきました。
また、Column87「人件費単価のデータベース(米国)」では、米国連邦政府において、英国中央政府のフレームワーク合意と類似したGSA Schedule Contractが実施されている点についても紹介しました。
スウェーデンにおいてもフレームワーク合意の活用が活発になっているという点は注目すべき点ではないでしょうか。
(出典)
The National Agency for Public Procurementウェブサイト
財務省「契約に関する統計」
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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