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2018-01-24

Column82 (1/24):プリンター等のフレームワーク合意の活用事例(英国)

Column49「プリンター等のフレームワーク合意(英国)」では、プリンター等の調達に関わるフレームワーク合意(Multifunctional Devices, Managed Print and Content Services and Records and Information Management(RM3781))を紹介しました。

今回は、英国保健省が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Public Health England(以下、「PHE」という)のプリンター等の調達に関わるフレームワーク合意の活用事例を紹介します。

はじめに、フレームワーク合意とは、「2006年の英国公共契約規則に規定された“長期指名候補者と事前合意制度”のことで、長期指名候補者(フレームワーク企業)を選定した上で、これら企業との間で4年を限度とする一定期間内の個別発注(コールオフ)に関する受注者及び契約額の決定方法、契約条件等(フレームワーク)に予め同意する方式」です。

PHEが実施する肥満対策キャンペーン“Change4Life”では、子ども向けの肥満対策プログラムの一環として、全英16,500の学校にステッカー等の印刷物4百万個を配布しています。

ステッカー等の4百万個の印刷・配布に向け、PHEはプリンタサービス等に関わるフレームワーク合意(Managed Print and Digital Solutions framework(RM3785))を活用しています。

プリンタサービス等に関わるフレームワーク合意には、以下の2つの発注ロットがあり、上記の事例では、印刷から配送までの包括発注である、発注ロット1)が採用されています。

1)Fully Managed End to End Print and Digital Solutions(合意企業1社)
2)Tailored Managed Print Solutions(合意企業6社)

発注ロット1)を選択した結果、予定よりも1週間早く配布が終了するとともに、低い不着率(0.08%)、印刷・配送コストの削減(119,441ポンド)が実現した、と報告されています。

日本では、英国のフレームワーク合意のような仕組みは提供されていないため、上記事例のように、プリンタサービス等の調達量やスケジュール等を踏まえて、発注者がフレームワーク合意企業の中から契約相手方を決定することはできませんが、発注ロットに応じてどのような受注可能企業が存在するか?、どのような発注ロット・発注内容での調達が効果的か?、定常的な市場調査を通じて発注者が把握しておくことは重要でしょう。

(出典)
Crown Commercial Serviceウェブサイト
国土技術政策総合研究所資料第908号「英国・米国における包括・個別二段階契約方式-フレームワーク合意方式(FA)と数量未確定契約方式(ID/IQ)-」

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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