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2017-12-28

Column79 (12/28):イノベーション促進に向けた公共調達(7)(米国)

Column71「イノベーション促進に向けた公共調達(6)(米国)」では、米国連邦政府の中で最も調達金額の高い機関、国防総省(Department of Defense)のイノベーション促進に向けた取組を紹介しました。

今回は、2012年から実施されている、イノベーション促進に向けたプログラム“Presidential Innovation Fellows program”を紹介します。

同プログラムは、政府内でイノベーティブな取組や価値を生みだすべく、外部の有力な技術者や起業家等を1年間のフルタイム職員として政府内に迎え、省庁のトップ職員等と共に政府内でイノベーティブな政策手段を検討・実施していくプログラムです。

これまでに約120名の技術者等が選抜され(倍率は約3%)、25省に職員として派遣されている、とのことです。

例えば、電子医療情報のアクセス改善に向け、フェローと保健社会福祉省(Department of Health & Human Services)や退役軍人省(Department of Veterans Affairs)等、関係省庁がBlue Button Initiativeを立ち上げ、課題改善に向けた検討等が実施された、と報告されています。

なお、1年間、フェローとしてプロジェクトに参加した後、半数は職員として政府内に残り、残りの半数は民間企業等で働いているようです。

これまでは、イノベーションを促進するための取組として、公共調達を活用して、政府外の企業のイノベーションを促進する方策等を紹介していましたが、この“Presidential Innovation Fellows program”のように、政府内にイノベーティブな技術者等を任期付きのフルタイム職員として招き、政府内でイノベーションを起こしていくアプローチも一つの有効な方法かもしれません。

(出典)
General Services Administrationウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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