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2017-02-17

Column35 (02/17):調達における透明性の確保(英国)

英国では、英国内閣府が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Crown Commercial Service(以下、CCSという)の管理する契約について、政府調達のデータ標準であるOpen Contracting Data Standardを採用し、透明性の確保に取り組んでいます。

今回は、この調達情報の透明性確保に向けた取組について紹介します。

取組としては、調達プロセスの全段階で全ての書類やデータを開示しています。これにより、調達情報の透明性向上と幅広いユーザーによるデータ分析の両方を可能にしているのです。

具体的には、CCSの契約データを、以下のtypeとstatusの2つの項目を掛け合わせて検索し、日付順等でソートできるようにする検索システムを提供しています。

type
・opportunity(公告案件)
・future opportunity(将来、公告を予定している案件(事前の情報提供により一定程度の対話が可能))
・early engagement(調達内容についての意見等を求めている案件)

status
・open(受付中)
・closed(opportunityの場合は申込受付終了、future opportunityの場合はopportunityへの移行済み等、early engagementの場合は意見招請終了)
・awarded(契約済み(opportunityのみのstatus))

また、発注機関ごとの契約情報のデータ(発注機関ごとのearly engagement、future opportunity、opportunity、awardedの分布や四半期ごとの契約件数)等も提供しています。

このような幅広いデータを分析しやすいように提供することにより、入札等への参加を検討する者の調達戦略が立てやすくなったり、発注者も同時期に類似案件の公告が予定されていないかを確認し、類似案件の公告の集中を避けること等ができると思います。

日本でも、政府電子調達(GEPS)というウェブサイトが提供されており、同サイトで公告・公示情報を確認することはできます。ただし、公告情報をtypeやstatusで検索したり、過去の案件の公告情報を確認すること等はできません。

入札等に参加する者が現在及び過去の調達情報を分析し、調達戦略を立てやすくするためには、どのようなデータをどう提供することが必要か?

日本でも、このような視点で情報提供の内容を見直すことは有効ではないでしょうか。

(出典)
Crown Commercial Serviceウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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