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2016-09-04

Column5 (09/04):HUBZone Program (米国)

Column3「公共調達における付帯的政策(米国)」で紹介したとおり、米国連邦政府では、契約担当官は、3,000ドル~150,000ドルの調達(一部例外あり)において、以下のプログラム・カテゴリーの対象となっている中小企業にset-aside(中小企業向けの留保)を適用し、自動的にそれら中小企業との契約を締結することが義務付けられています。

<set-asideの対象>
・8(a)Business Development
・HUBZone Program
・Woman Owned Small Business Program(includes Economically Disadvantaged Woman Owned Small Business concerns)
・Service Disabled Veteran Owned Program

上記のプログラム・カテゴリーの内容は、どのようなものなのでしょうか?ここでは、Column4「8(a) Business Development Program (米国)」に続き、「HUBZone Program」を取り上げます。

初めに、HUBZoneとは、歴史的低開発地域(historically Underutilized Business Zone)の略称で、先住民居留地の境界地域や閉鎖基地地域などを指します。

HUBZoneプログラムでは、HUBZone契約の資格を有する中小企業(以下、「HUBZone企業」という)に対するset-asideや単独契約(sole selection)の適用、公開競争(full and open contract competition)の価格評価(元請・下請の両方)における10%の優遇が行われます。このような優遇措置により、HUBZoneの経済発展・雇用促進を達成することを目的としているのです。

HUBZoneプログラムを所管する米国中小企業庁(U.S.Small Business Administration、以下、「SBA」という)では、1)HUBZone企業の認定、2)認定企業のリスト更新、3)HUBZone企業の資格付与に関する異議申し立ての裁定、4)HUBZoneにおける雇用、投資に対するプログラムのインパクト評価(議会報告)を実施しています。

注目したいのは、4)HUBZoneにおける雇用、投資に対するプログラムのインパクト評価です。SBAがシンクタンクに委託して実施した、2000年度から2007年度のHUBZoneプログラムを検証したレポートでは、1)HUBZone企業との契約金額は概ね増加していること、2)HUBZone企業の数はHUBZoneの指定地域の拡張等に伴い増加していること、3)米国全体にインパクトを与える程の契約金額ではないこと(2,450地域で60億ドル)、4)契約手法は単独契約、価格評価での優遇よりもset-asideが適用されていること、などの結論が取りまとめられています。

HUBZoneの経済発展・雇用促進に関わる定量的なインパクト評価とは言えないですが、近年、公共調達を活用した取組が積極的に推進される一方で、特定の政策目的を達成するためには、税制優遇等、公共調達以外の様々な政策手段が考えられるなか、公共調達を活用することの有効性を検討することが法定されていることは重要だと思います。

(参考資料)
U.S.Small Business Administrationウェブサイト
川澤良子「公共調達を活用した取組の有効性の検証」(2015年1月9日)三菱UFJリサーチ&コンサルティング サーチ・ナウ

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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