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2019-04-12

Column126 (04/12):イノベーション促進に向けた公共調達(13)(日本)

Column96「イノベーション促進に向けた公共調達(9)(日本)」では、市場には存在しない、または、市場の革新的な製品・サービスを公的機関が初期需要として調達することで、イノベーションを促進する取組、いわゆる「イノベーション調達」に類似する国の取組を紹介しました。

Column106「イノベーション促進に向けた公共調達(10)(日本)」では、地方公共団体の類似の取組として神戸市「Urban Innovation KOBE」、さらにColumn111「イノベーション促進に向けた公共調達(12)(日本)」では、つくば市「つくば公共サービス共創事業」の取組を紹介しました。

今回は、イノベーション調達の促進を目指して、内閣府が本年4月に公表したガイドライン「公共調達のイノベーション化及び中小・ベンチャー企業の活用の促進に係るガイドライン」を紹介します。

ガイドラインは、公共調達のイノベーション化及び中小・ベンチャー企業の活用を促進するため、各府省が予算の適正な使用に留意しつつ、以下のような方策に積極的に取り組むよう推奨しています。

・調達情報・技術情報等の発信を強化する(行政機関や大手企業向けの技術力のある中小・ベンチャー企業のリストアップ、データベース化等)

・中小・ベンチャー企業の機会拡大に資する取組を推進する(説明会の開催、大手企業・メインコントラクター等とのマッチングの実施等)

・入札・審査の方法を検討する(総合評価方式・企画競争等の適切な実施等)

・新技術の社会実装に向けての調達促進の取組を推進する(調達に繋げることを想定した技術調査事業(実証実験等)の推進等)

それぞれの方策について現時点で各府省が取り組んでいる内容が事例として紹介されており、まだ未着手の府省は他府省の取組を参考に取組を加速化することができると思います。

ただ、欲を言うならば、イノベーションを促進した調達の具体的な事例が、調達プロセス(どのように市場調査をしたか?どのような調達手続きを採用したか?(総合評価か、随意契約か等)等)に沿って紹介されていると、事業者にとってもより分かりやすい内容になると思います。

また、同ガイドラインはあくまで政策統括官(科学技術・イノベーション担当)決定のガイドラインですので、閣議決定のように内閣として決定したものではありません。

イノベーション調達を促進するために内閣府がこのようなガイドラインを示す、というのは注目すべき取組ですが、全府省で取組を促進するという意味では、いずれはガイドラインを閣議決定して推進することも考えられるでしょう。

いずれにしても、ガイドラインの公表は、我が国のイノベーション調達に関わる取組の前向きな一歩だと思います。

(出典)
内閣府ウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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