Column118 (02/13):中小企業への優先売却(米国)
Column3「公共調達における付帯的政策(1)(米国)」では、米国連邦政府における付帯的政策の取組を紹介しました。
米国連邦政府では、例えば、中小企業の競争力を向上させるという政策目的を達成するため、一定の条件を満たす中小企業と優先的に契約することを連邦調達規則(Federal Acquisition Regulation)で規定しています。
この優先的な契約は、政府がモノ・サービスを発注する時だけでなく、政府が天然資源や財産の売払い・リースをする時にも適用されます。
具体的には、天然資源や財産の売払い・リースにおいて、中小企業が公平なシェアを得ていない場合、売払いやリースの入札において中小企業だけが参加することができる、というものです。
米国中小企業庁(Small Business Administration)は、以下の5つの天然資源・財産の売払い・リースの入札において中小企業が契約を締結できるよう、中小企業に対して売払い・リースに関わるコンサルティングや各種支援“Natural Resource Sales Assistance program”を行っています。
・木材及び木材関連製品
・国家備蓄の戦略的物質(備蓄が不要となる時、戦略的物質の余剰分が中小企業向け売払いの対象となる)
・ロイヤルティオイル
・鉱物、石炭、オイル、ガスに関わる権利を含むリース
・余剰不動産及び人的資源(教育機関や地方政府等のへの寄付が成立しない場合、中小企業向け売払いの対象となる)
天然資源や財産の売払い・リースにおいて、中小企業が公平なシェアを得ていない場合とは、具体的にどのような場合か?という点が問題ですが、売払い・リースにおいても中小企業との優先的な契約が行われているというのは注目に値するのではないでしょうか。
(参考資料)
Small Business Administrationウェブサイト
Social Policy Lab㈱
川澤良子
コメントを残す