Column116 (01/29):中小企業の受注機会の促進(米国)
Column15「地域における中小企業の受注機会の促進(米国)」では、地域の中小企業の受注機会促進に向けて、 米国中小企業庁(Small Business Administration、以下「SBA」という)の6つの地域事務所に、中小企業からの相談等を受け付ける「調達センター担当者(Procurement Center Representatives)」が配置されていることを紹介しました。
今回は、SBAが行なっている中小企業の受注機会促進に向けたその他の取組「Subcontracting Network(以下、「SubNet」という)」を紹介します。
SubNetは、下請中小企業を公募する元請企業と、下請契約を希望する中小企業のマッチングを支援するサイトです。
SubNetに掲載される案件は、元請企業が下請契約先を公募する場合に限りますが、公募される案件については連邦政府の情報が一元化されています。
元請企業は業務の概要や業務コード(NAICSコード(※))、業務の履行場所、業務開始日、公募終了日等、複数の条件を示し、参加者を募ります。
※NAICSコードとは、連邦政府の公共調達の参加資格として使用されている産業分類コード「North American Industry Classification System」です。
下請契約を希望する中小企業は、SubNetに業務実施場所(州等)や業務コードを入力し、公募されている下請業務を検索することができます。また、SubNetには、元請企業の連絡先があるため、元請企業に直接コンタクトすることもできます。
このように元請企業と下請企業のマッチングサイトを設ける背景として、連邦政府では、交渉及び価格競争の結果、700,000ドル(約7,700万円、但し工事は150万ドル)超の契約を締結した元請企業に、下請計画の作成を義務付け、中小企業との下請契約を促しています。
そのため、政府としても、大企業が中小企業と下請契約を締結し易いよう、環境を整備していると言えるでしょう。
もちろん、政府として、中小企業の元請契約、下請契約両方の受注機会を促進することは重要だと思いますが、具体的にどのように幅広い中小企業へ契約のチャンスを提供するか?
我が国でも、元請契約と下請契約の両方を視野に入れて環境を整備することも一案かもしれません。
(参考資料)
U.S.Small Business Administrationウェブサイト
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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