Column102 (9/25):調達改善の主要機関(オランダ)
英国では、Column22「公共調達に関する制度(英国)」、Column25「調達政策における主導機関(英国)」で紹介したとおり、内閣府が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Crown Commercial Serviceが、調達政策の主導的な役割を果たしています。
Column54「イノベーション促進に向けた公共調達(3)(オランダ)」で紹介したオランダでは、調達改善に向けて、どのような機関が重要な役割を果たしているのでしょうか?
今回は、オランダの調達改善において重要な役割を果たしている「PIANOo」を紹介します。
PIANOoは、経済・気候政策省(Ministry of Economic Affairs and Climate Policy)の政策執行機関であるNetherlands Enterprise Agencyの一部です。
調達担当者のナレッジ共有等を目的として、PIANOoが、公的機関と民間企業とのネットワーク(約3,500機関)を構築し、調達に関わる知見の蓄積、公的機関・民間企業の対話促進等を行っています。
また、PIANOoが開催する調達専門家の会合では、実務の現実的な課題の解決に向けた議論が行われています。
調達専門家会合の現在の主なテーマは、市場に関わる知見、イノベーションに焦点を当てた調達等、とのことです。
このうち、市場に関わる知見は、特に重視されています。
市場に関わる知見についてのマニュアルやチェックリストが公表されるとともに、地域単位で公的機関と民間企業の対話を実施し、市場に関わる知見の蓄積が図られています。
日本の公共調達においても、発注に際して、市場調査を実施することが求められていますが、この市場調査の方法について法令上の具体的な取り決めはありません。
発注機関ごとに、適切な方法で、市場調査を実施することも必要ですが、オランダのPIANOoのように、一元的に市場に関わる知見を蓄積し、有効な取組をマニュアル等で整理することも重要ではないでしょうか。
(出典)
PIANOoウェブサイト
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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