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2018-08-22

Column99 (8/22):調達改善の取組実績(英国)

英国では、Column25「調達政策における主導機関(英国)」で紹介したとおり、内閣府が所管するエージェンシー(executive agency)の一つ、Crown Commercial Service(以下、「CCS」と略称)が、調達政策の主導的な役割を果たしています。

具体的には、中央政府や地方政府、それ以外の公的機関が共通して調達するモノ・サービスのフレームワーク契約に関わる調整や、中小企業の公共調達への参加促進等、各機関の調達改善に向けた様々なサポートをしています。

今回は、CCSの2017年度の実績を紹介します。

・CCSのフレームワーク合意などを活用した調達件数は1,260件(フレームワーク合意後の個別発注を含む)

・2017年度に新たに締結されたフレームワーク合意などは28件

・2017年度にCCSのフレームワーク合意などを活用して調達されたモノ・サービスの総計は130億ポンド(約18,490億円)で、2016年度より6億ポンド(約850億円)増加

・CCSのフレームワーク合意などを活用した中央政府の調達における便益(※)は354百万ポンド。その他機関における便益は247百万ポンド

※便益は、CCSのフレームワーク合意を活用した価格と市場価格の差額といった支出関連の便益に加えて、中央政府の調達改善の取組に関わる便益により算定されています。

便益の内訳としては、共同調達(17機関の電話回線サービスのニーズを取りまとめて、2年間で2.7百万ポンドの節減)といった価格低減の事例や、Column24「企業からの問合せ対応(Mystery Shopper)(英国)」で紹介した“Mystery Shopper service”により事業者からの不服申し立てが改善された案件の価格(700,000ポンド)等が紹介されています。

調達改善の実績として定量的な効果を示すことは難しいですが、CCSにおいては、市場価格との比較や調達改善の取組の貨幣換算により効果を積み上げており、このような地道に効果を測定し、経年で評価する取組は重要と言えるでしょう。

(出典)
CCSウェブサイト

Social Policy Lab㈱
川澤良子

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