Column1 (08/11):公共調達の規模
国や地方公共団体、その他の公法人は、各機関の役割を遂行するために、外部からモノやサービス等を調達しています。これが、いわゆる公共調達です。
このColumnでは、主に公共調達をテーマに、日本や諸外国の取組を紹介します。
初めに、テーマの対象である公共調達の規模(調達金額)は、どのくらいなのでしょうか。
国の調達に限った統計ですが、毎年度、財務省では「公共調達の適正化について」(平成18年8月25日財計第2017号)に基づき、「契約に関する統計」(※1)を公表しています。この統計によると、国の調達規模(少額随意契約等を除く支出原因契約)は、平成26年度で約8兆3,000億円です。過去3年間を見ると、平成23年度は約6兆9,000億円、平成24年度は約7兆5,000億円、平成25年度は約8兆2,000億円と、近年は増加傾向にあり、過去2年間は約8兆円の水準に達しています。
次に、調達規模を歳出(決算ベース)に占める割合から考えてみます。国の調達だけに着目すると、平成26年度の国の歳出(一般会計と特別会計の純計)は約226兆8,000億円(※2、※3)、国の調達金額は約8兆3,000億円ですので、国が支出するお金のうちの約4%であることが分かります。
ただし、歳出には国の借金の利払いや返済である国債費(約84兆6,000億円)が含まれるため、この国債費を除く政策的経費(約142兆2,000億円)に占める割合を見ると約6%になります。社会保障関係費は約75兆6,000億円ですので、そのような政策的経費に比べて、調達は小さなテーマだと感じるかもしれません。
しかし、金額としては約8兆円に上り、さらには、歳出には、地方交付税交付金(約17兆4,000億円)等、地方公共団体に交付されるものも含まれます。地方公共団体は、独自の財源に加え、これら交付金でも外部からモノやサービス等を調達しているため、国と地方公共団体を合わせた調達金額は8兆円を超える大きさになります。
※1 平成26年度契約に関する統計
※2 平成26年度歳入歳出決算純計表
※3 計数は、国債整理基金特別会計における借換償還額控除後の額
Social Policy Lab㈱
川澤良子
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